第43回;「マンピーのG★SPOT-2」

田舎町にて、真っ白のまま育った私は、
そんなこんなで、

「マンピー」も「G★SPOT」も意味を知らなかったんですね。

「ルーララ、宇宙の風に乗る」みたいな、
ちょっと意味がわからない、呪文のようなものだと思っていました。

高校に入学して少し経つと、
仲良くなるためのオリエンテーションがありました。

私は、人見知りなので、オリエンテーションで、
都会高校のキャピキャピしたノリに、付いていくことはできずに、

同じクラスの仲間がボールをぶつけ合って、
ハシャイでいるのを、体育館の隅の方から眺めていました。

イケてる人たちの絡み合いを、指を咥えながら羨み、
誰とも話をすることなく、
オリエンテーションはサラッとあっけなく終わり、
その帰りの道中のバスで、プチカラオケ大会がありました。

クラスの人気者が、
DREAM COMES TRUEの「未来予想図」や、
スピッツの「ロビンソン」や、
ミスチルの「tomorrow never knows」

といった、イケてる曲を歌う中、
私が選曲したのは、
覚えたての呪文こと「マンピーのG★SPOT」でした。

いざ曲が始まって、ノリノリで歌っていると、
女子達がザワつき始めました。

それを、私は色めき立っていると勘違いをして、
さらに強く熱唱しました。

「あれが、マンピーのG★SPOT!!G★SPOT!!!
 ジースポットぉぉっぉぉー!!!♪───O(≧∇≦)O────♪」

『オリエンテーションでは、全く結果を残すことはできなかったが、
 ここでなら、何かしら残すことができるかもしれない。』

と勘違いした男は、
今まで見せることがなかった力を発揮し、
上半身を強く震わせながら、
サビを大声で歌いきりました。

まるで、サイヤ人のように、髪が逆立ち黄色い光が、
私を包んでいるようにも感じました。

「あれが、マンピーのG★SPOT!!G★SPOT!!!
 ジースポットぉぉっぉぉー!!!♪───O(≧∇≦)O────♪」

『いやぁ、最高だったぜ。』と心の中で呟きながら、
身に纏った黄色い光を消し、
サラッと着席をして、
隣の席の人との他愛のないコミュニケーションに戻り、
オリエンテーションは幕を閉じました。

次回へ続く

それでは、また次回、お会いできることを楽しみにしております。
(– -)(_ _)ペコリ
continuity is the father of success.

雑記